2025年9月5日
不登校の要因分析に関する調査研究について②
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不登校の要因分析に関する調査研究について②
あしたデイズでも取り組んでいる不登校の方の支援。
文部科学省の調査研究を前回に引き続いて、ご紹介。
この研究は、大きく分けて、
①令和4年度の調査より、不登校の関連要因を明らかにすること
②令和4年の調査で、不登校の要因として、「無気力・不安」という要因を挙げた児童生徒の実態把握
③学校内外で専門的な相談を受けていない児童・生徒の実態把握
の3つの内容からなっており、今回は2つ目の不登校の要因として、「無気力・不安」という要因を挙げた児童生徒の実態把握についてみていきたいと思います。
ちなみに令和4年の調査で、不登校の要因として挙げたもので一番多かったのが、「無気力・不安」でした。割合としては、51.8%で2番目に多かった「生活リズムの乱れ、あそび、非行」が11.4%なので相当、多そうです。
②について
この調査は、生徒児童、保護者、教師のそれぞれの立場から、不登校の要因を回答したものを集計、考察されています。
不登校のきっかけとなる要因を不登校の主たる要因として「無気力・不安」と回答した群とそうでない群を比較し、どのような差があるのか、差があるとするなら、その項目が不登校の要因との関連性が強いのではないかといったものです。
結果、教師の回答では、不登校のきっかけとなる要因として、いじめ被害・加害、要対協・要保護・準要保護の対象、家族の介護等といった象徴的な出来事がある場合は、無気力・不安と回答しなかった群と関連性が高く出ていました。逆に言うと、象徴的な出来事がない場合の不登校は、無気力・不安と回答されやすいといった考察がされていました。要は、教師は、無気力・不安で不登校となった児童生徒の実態を十分に把握できていないといったことでしょうか。調査の考察でも同じようなニュアンスのことが書かれていました、年度をまたいでの不登校も多いので把握しにくい要因だとも書かれていました。
一方で、生徒児童の回答結果としては、「成績が下がった」、「学校とは違ったこと(遊び)をしたい 」、「声や音がうるさい、いやなにおい 」といった理由が、回答割合が高かったという結果が出ていて、保護者の回答結果としては、「学校の決まりのこと (制服、給食、行事等) 」、「親のこと(親と仲が悪いなど) 」、「授業が簡単すぎた 」が回答割合が高いという結果がでました。
教師の回答でもみられるように、象徴的な出来事があると不登校となったことがわかりやすいですが、そういったことがないのに不登校になる、それが、要因としては、「無気力・不安」といった表現であらわれていること。そうなんだろうけど…
不登校になったきっかけというものではなく、たくさんの出来事が重なって、たまたまその時にやってきた出来事がきっかけとなる?とか要因は、自身でも気付いていないところにあるかも?など。また、あらたな仮説が色々と、もやもやと出てきました。
③に続く
児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査はこちら。
あしたデイズとは?
和歌山市の4-18歳の発達が気になる児童・生徒、知的障がい、発達障がいのある児童・生徒、学校に行きにくい方、不登校の方対象のコミュニケーションを学ぶ放課後等デイサービス・児童発達支援を運営する事業所です。